自分の意思に関係なく、両目まわりの筋肉がけいれんする病気です。
何らかの原因で神経が障害され、脳から正しい指令が伝わらず、目のまわりの筋肉がけいれんを起こす病気を「眼瞼けいれん」といいます。
「眼瞼けいれん」ではまばたきがうまくできず、まぶたを閉じている方が楽になります。
自覚症状はドライアイと似ていますので、ドライアイの治療で効果がなければ、この病気も疑いましょう。
点眼薬をしているのに目の調子が悪い方は、ご相談ください。
眼瞼けいれんの症状の進行はゆっくりしていますが、そのまま放っておいて自然に治る病気ではありません。
症状が進行すると、けいれんの回数が増し、まぶたが開かなくなったり、目が見えなくなることもあります。
専門医と十分に相談して、自分に合った適切な治療法を選びましょう。
初期の方は、内服で症状の改善がみられることがあります。
ボツリヌス療法では、ボツリヌス菌がつくり出すA型ボツリヌストキシン(天然のタンパク質)を有効成分とするお薬を、筋肉に注射することによって、けいれんなどの原因となっている神経の働きを抑え、筋肉の緊張をやわらげ、症状を改善します。
このお薬は、1989年以来世界80カ国以上で承認されており、日本でも1997年以降、眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、脳卒中後の手足の筋肉のつっぱり、ワキの汗などの治療に広く用いられており、2019年4月現在、10万人以上の患者さんがこの薬による治療を受けています。
健康保険適用
ボツリヌス療法によって、70%以上の眼瞼けいれん・片側顔面けいれんの患者さんで症状の改善が得られるとされています。
治療の効果には個人差がありますので、1回の注射で症状が改善してしまう方もいれば、定期的に再投与を必要とされる方もいます。
注射後の副作用の多くは一時的なもので、お薬の効果の消失とともに消失しますが、これらの症状がみられたら、医師にご相談ください。